鮭の酒びたし

鮭の酒びたし

新潟の村上市で誕生したと言われている、鮭の酒びたし。塩につけた鮭を半年もの長い間、冬から夏にかけての日本海からの季節風にさらされながら干していくそうです。身を引き締めて旨さをギュッと凝縮してじっくりと熟成させた鮭の身を薄く切って、お皿に並べて日本酒を上から全体に浸る程度にふりかけていきます。鮭の身に日本酒が染み込むまで、数分じっくりと待って、頃合いをみて頂きます。これがなんとも、なんとも渋い!これは飲兵衛の上級者クラスのお酒の嗜み方だなーと感慨にふけってしまうほど個性的でユニークです。私は、このクセになる味わいを日本酒で嗜むのも良いですが、私はこれにはビールと一緒に嗜むのが大好きです。ビールをぐびぐびと飲みながら、チビチビと日本酒に浸かった鮭の酒びたしを頂きます。そして、これぞ新潟で生まれたおつまみ!と、その土地の風土や歴史などにも感慨ふけってしまいます。美味しいお米がとれ、日本酒が造られ、海からは鮭が登り、日本海の風にさらされて、などなどその土地の条件や様々な歴史によって見事に誕生した伝統的な嗜み方なのですね。日本酒に浸さずにそのまま食べても美味しいですが、日本酒に浸すことによって塩っけが調和し、程よくなります。

鮭の酒びたし
鮭の酒びたし